ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

サマータイム (新潮文庫)/佐藤多佳子

最近よく目にする佐藤多佳子さんのデビュー作。うわー。素晴らしく面白かった。私が「この方向性でこのぐらいのレベルが書けたなら即デビューだろうなー」とずっと思ってきたライン、まさにその線上にある作品だった(もちろんそれは、私にとってとても高い壁である)。こんなのが20年近く前に書かれちゃってんだからすげえよ。
すべてのキャラクターが魅力的で(特に、意地悪というか素直じゃない姉と、その姉に決して屈することのない利発そうな弟は、ルーシーとライナスを彷彿とさせて私の中でプチ萌えです。ルーシーは美少女設定ではないけれども)、すべてのエピソードが印象深く、それらがすべて上手くリンクして世界が完成している。真冬に読んだのに、心が夏にトリップした。そのぐらい引き込まれる作品でした。
いやあ、イイモノ読んだ。よかった。