ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

「子供のためとか言っても、どうせあんたの意志なんか弱いんでしょ」とばかりに煙草を無理やり吸わされそうになる夢を見た。
夢の中の私は、煙草を咥えるふりしてペッと吐き出し「吸うかバーカ」と笑ったものの、その言葉と一緒に口から煙を吐いてしまったので、実は誘惑に負けてひとくちだけ吸ってしまったのがバレバレであった。それは別によいのだが、それにしたってその煙草のにおいと味はとてもリアルで、あまつさえ美味しいと思ってしまった次第。
煙草をやめてどのくらい経つのかわからない。子供のためとかではなく、何年か前からいつの間にか吸わなくなっていて、でも我慢していたわけじゃないので(時々吸ったりしていた)、禁煙が転じて嫌煙になることもなく今に至る。もちろん今は胎児への悪影響を考えてなるべく避けているけれど、正直言うと、歩きながら吸ってる人とすれ違って煙草のにおいが鼻をかすめたりしたときに、「うーん、いいにおい」と思ってしまう自分がいる。
今は妊婦だから、吸わない。今後は小さな子供がいるからという理由で、しばらく煙草は吸わないと思う。だいたい、ヘビースモーカーだった父を癌で亡くしたことを思うと、すすんで煙草を吸う気にはあまりならない。でもいつか、たとえば六十歳過ぎても健康でいられたら、一日二本か三本くらいの煙草を生活に盛り込みたいなあ。そのとき煙草の値段が今の十倍ぐらいになっていて、煙草はお金持ちの人がたしなむものという認識になっていて、自分がそんな煙草を吸うのにふさわしい老婦人になっていたら、なおさら素敵だなあ。と、そんな妄想をめぐらせながら、思いのほか煙草好きだった自分に気付いてびっくりした今日この頃でございました。でも、自分の喫煙が単なる若気の至りだったわけじゃないことに気付いて、ちょっと嬉しい。