ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

絶対、最強の恋のうた〔小学館文庫〕/中村航

最近は本を読むといえばお勉強ばかりで(といってもたいした勉強をしているわけではないが)、久しぶりに小説を読んだ。久しぶりなのでテンション的に微妙かなーと不安を感じつつ開いた、ら、いつもはひどく遅読なワタクシが2時間弱で読了してしまったこちらの作品。
恋愛小説を期待して読むのは、ちょっと違うかなと思った。それだとこのタイトルも甘すぎて恥ずかしいし。どちらかというとこれは、ど真ん中ストレートな青春小説だ。それならばこのタイトルのような、根拠はないが勢いのある確信めいた概念についても、ストンと理解できる。
結論としては、さくっと読めて面白い(おいしくてつよくなるビスコ的なノリ)。
とはいえ、この作品が私の人生に何らかの影響を及ぼすことは、たぶんないと思う。人生どころか、明日の行動だとか、機嫌の良し悪し程度のことを左右したりもしないだろう。この作品に、青春について私が語りたかったことが全部詰まっているとも思えないし、この登場人物たちに共感できるほど私の青春はクレバーじゃなかった。むしろ、もっと傷だらけで泥臭くて失敗から学ぶ以外に方法がないような若さしか、私は知らない。たぶんこれからも、そうやって生きていくんだろうなーとも思う。しかし、そんな私にとってさえ、この作品は面白かったのだから、それにこしたことはない。ただとにかく面白かったのだから、それで良い。
最後に言いたいのは、人生を面白くしたいと願うなら、ちょっと面倒くさいけれど木戸さんのようなわけわからん名言を残しまくるスパイシーな友人を作るべき、ということぐらい。