ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

彼女は宇宙服を着て眠る (幻冬舎文庫)/辻仁成

リア厨時代にピアニシモ (集英社文庫)読んでさっぱりわからず、そのイメージゆえ敬遠してきた辻さんですが。今回あえて挑戦してみたら、なんだこれ。非常に良かったです。最近意識的にエンタメ寄りになってたけど、やっぱ私にゃ純文学のが断然面白いことに気付かされるほど良い作品でした。
6作の掌篇と1作の短篇(中篇ぐらいか?)からなる作品集で、どれも良かったけれど、やはり一番長い「愛の工面」が特に面白かった。うまく言えない。けれど、ずっしり来たしじんわり来たし、しっとりした。意味不明。
難を言えば、この作品の万華鏡のくだり、前半に収録された「万華鏡」という作品とほぼ同じエピソードが挿入されているところだ。複数の作品で同じネタ使うのもどうかと思うが、どっちかっつと編集も考えてやれよ、と思う。印象の強い場面だけに、残念。
多分弟がこの人の作品好きで、実家にたくさん文庫あるから他の作品も読んでみよう。