ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

ジョゼと虎と魚たち/田辺聖子

映画化でちょっと話題になってるっぽいジョゼ虎。田辺聖子スキーとしては読まなければと手に取った次第。
田辺聖子の小説って映像向きじゃないんじゃないかなと思っていたけれど、表題作の「ジョゼ虎」読んで、ああなるほどと思った。ちょっと毛色が違う。これはこれでまあ面白いけど、私はどちらかというと他の作品のほうが味わい深いと思った。この作品についての感想は伏せて、とりあえずジョゼが池脇千鶴なのはすごく納得、と。
「お茶が熱くて飲めません」と「荷造りはもうすませて」は私が目指したい方向性かなりど真ん中。いいなあ、ホントこういう小説書きたい。「うすうす知ってた」、「いけどられて」、「雪の降るまで」は田辺聖子ー!って感じの作品で、食べ物がやはり異常に美味しそう。「恋の棺」と「男たちはマフィンが嫌い」は、とりあえず萌え。こういう作品も書きたい。という感じの短編集でした。
山田詠美の解説。彼女の自己主張もこのくらいなら「鼻につくけどこれでこそエイミー」で済むかなーという、いい塩梅の文章。その頃の彼女はやっぱ良かったんだと思った(この文庫の初版が昭和62年)。