ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

震災から一年。ということで本当は11日に書きたかったのだが、時間も体力も足りず遅くなってしまった。
昨年は、3月初めに基金訓練を受けられることが決まり、入校の手続きを済ませたのが3月10日だった。保育園の準備もあって、バタバタしていた真っ最中のあの地震。またいつ地震が来るのかもわからない状況だし、原発の状況がどうなってるのかわけわからんしで、今はPと離れて過ごしてはいけないのではないかと散々悩んだ。でも、結局はPを保育園に預けて、私は基金訓練に行くことにした。というのは、夫が「Pのために行かないと決めるんだったら、おまえは絶対に後悔する」と断言したのがひとつ。それと、あんなに大きな震災があっても、私は人のためにしてあげられることが何もないなと心底思ったということがもうひとつだった。
これまでいろんなところでいろんな仕事や活動をしてきたけど、それらはすべて、自分が好きで自分のためにやってきたことだったんだなと今さら思う。アロマテラピーは、もちろん好きかどうかと聞かれれば好きでやっていることなんだけど、それなら「ああ、この香りってなんかイイね」程度の趣味で良かったわけで。じゃあ真剣に勉強したいと思い始めたのはなぜかといえば、やはり父の病気がきっかけだった。人のためにやってみたいと思ったはじめてのことだったから、今(震災を経て)これを勉強することにはすごい意味があるんじゃないかという気がした。
アロマテラピーは思っていた以上に奥が深く、海に例えるなら、まだ私なんぞ波打ち際あたりでちゃぷちゃぷ遊んでいる程度のものだと思う(趣味としてアロマテラピーを楽しんでいる人を、海の見えるきれいなお部屋で遊んでいるくらいとして)。おまけにハーブにまで手を出して、正直、たぶん死ぬまでこの道は究められないだろうなとすでに感じている。でも、「ねえ、お部屋で海を見てるのも楽しいけど、こっち来て一緒に遊んでみない?」くらいは言えるようになった。海っちゅうもんを知らない人に、「海というのがあってだね」と話をすることもできる。そしてこれからも、少しずつ深いところへ進んでいって、そのつど「ねえねえ、ここまで来てごらんよ」と言えれば、それでいいんじゃないかなと思ってる。ああ、そうか。こういうのをつまり、ライフワークって言うんだね。
この一年は、震災があってもなくても、アロマテラピーを学んでも学ばなくても、なんにせよおそろしくめまぐるしい一年だったのだろうと思う。でもとりあえず今は、人にアロマテラピーやメディカルハーブについてちょっと人に教えることができるようになったし、家族や友人にアロマトリートメントができるようになった。ジタバタしながらも、前に進んだよ。
まだ世のため人のためというほどの仕事ではないけれど、とりあえずは自分以外の誰かのために何かができる。そうなったことが、この一年の収穫なのだと思う。ここから一年、なにを積み重ねていけるのか楽しみだ。