ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

にっかん飛切落語会 年忘れすぺしゃる 第二夜

於・イイノホール。友人のツテでチケットを入手していただけたので、行ってきた。暗い話ばかりもなんだからさ。
落語って結構好きというか興味はあって、前々から行きたいと周囲には触れ回っていたのだが、なかなか行く機会に恵まれず、6年ぶりくらいにやっと機会に恵まれました。そして、そんなド素人には勿体ないくらい、このイベントすごいんです。
30年以上続いてきた「にっかん飛切落語会」、会場となっていたイイノホールの閉館により終焉を迎えちゃったよスペシャルで、こちらを見て頂ければ解るけど、ものすごいメンツが出そろいました。なんかもうロックフェスみたい。いわば落語フェスです。私は第二夜しか行けませんでしたが、叶う夢なら三夜連続参戦したかったー。
というようなものなので、少々緊張しつつ会場へ。まずは若手落語家表彰式だった。三遊亭好二郎さんが奨励賞をもらっていたよ。ちゃんと若手を育てるシステムができあがっていることが、落語が決して衰退することのない理由である気がしました。って無知な私が言うのはハズカシイようなので、本編の感想をさくっと。
瀧川鯉昇「鰻や」
たぶんどこかで聞いたことある気がした演目内容。けど、まあ久々の私には丁度良いジャブだったみたいで、楽しめた。これはやっぱり鰻を持つ手がポイントなんだろうなー。てか、それより何より、マクラから本編に切り替える瞬間、明らかに顔つきが変わったのに一番感動した。
林家たい平「七段目」
これは歌舞伎を全然しらないせいで、ちょい苦しかった(歌舞伎揚は好きだけどさ)。でも、見栄を切ったりとか、歌舞伎で出てくるいろんな台詞を言ったりとか、そういうのの面白さは見ごたえがあったし面白かった。要はあれだ、(と思いついたけどあまりにアレなネタなので自粛)
三遊亭楽太郎「ずっこけ」
マクラから一貫して、とにかく酒、酔っぱらいの話だった。江戸っ子度は通常より高いものの、あーいるいるこうゆう酔っぱらい、という意味で、真に迫る演技が光っていた。で、まあ面白かったんだけど、なんか全体的に下品だったのが残念。オチも原型とどめてないし。まあ私は下ネタ(猥談じゃないほう)もイケるくちだから笑うには笑うんだが、粋じゃない、というか。
三遊亭圓楽「思い出ぽろぽろ」
落語ではなくフリートークでした。落語の歴史や飛切落語会の思い出話など。話の内容は大変興味深く、細かいとこまでいろいろ面白かった。でもやっぱり呂律が回ってなかったり、時々言葉が出てこなかったりしてた。私は父のこともあり、その状態を見ているのは少し心苦しかった。とはいえ、確かに貴重な機会に恵まれたんだと思う。
三遊亭鳳楽「尻餅」
個人的にはコレ一番好きだ。時節柄にも合ってるし、なんかエロス。餅つきプレイっていうんですか、お前の臼に俺の杵を叩きつけてやる〜みたいな(ちょっと違う)。手だけで餅をつく(振りの)音を表現してるんだけど、あれ、なんであんなに粘っこい音が出るんだろう! あと初めて気が付いたけど、私は落語のパターンとして夫婦の会話形式が一番好きっぽい。面白かった。
立川志の輔井戸の茶碗
とにかく長かったなあ。まあ、長くてももちろん飽きさせない充実感があるわけだが。古典的な内容なのに、笑いの取り方がすごく今風に感じたり、間も表情も絶妙で、なんというか場の空気をまるっと呑んでる感じがした(なんかすごい微妙な表現だけど、本当にそう思った)。一言で言えば面白かったです。
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そんな感じでした。久々に大変笑って満足したのですが、なんだか笑い皺が気になってくるあたり、もの悲しいものがありました。いやあでも本当いいモン見たわ!
ちなみに落語のあらすじはここらへん