ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

#07

母はやっぱり朝から病院。私は家事をすませて午後から。
朝、先生から洗髪の許可がでたらしく、速攻で病院近くの床屋に行き洗髪してもらって、父ゴキゲン。弟2や東京にいる伯母が見舞いにきて、私が行く直前までいたらしいし、楽しく過ごしたようだ。ただ、今日はちょっと立ちくらみがすると言ってた。心配だ。
伯母の話によると、田舎にいる伯父(父の長兄)が、今回の知らせを聞いて痴呆状態から覚醒しつつあるらしい。怪我の功名っすか……ってまあ、田舎のひとたちの言うことなので、話半分に聞いたほうがいいんだけど。本当だったら人間ってすごいなーと思う。
父から、知人宛の手紙を出しておいてくれと託される。「読めないような手紙を送りつけたら『こいつはもうだめだ』と思われるから、ちょっと読んでみてくれよ」と言われ、読んだ。目が見えないせいか、字はとても大きい(2センチ角ぐらい)けど、文字はきちんと読めるし、内容もちゃんとしていたので、少し安心した。
腫瘍が切除できて、あるいは小さくすることができて、視神経に悪ささえしなくなれば、また普通に生活ができるようになると信じたい。むしろ、生活に支障ある症状が早めに出てくれてラッキーだったかもしれない。もし症状が頭痛や吐き気だけだったら、だましだまし生活して、もっと悪化していただろうから。
明日は大腸内視鏡のため、父は今日の夜から絶食とのこと。夕食を見る必要もなく本人も疲れてるだろうから、私と母は早めに病院を引き上げた。
その後、母が行きたいというので、近くのスーパー銭湯へ。湯に浸かりながらいろいろ話す。母は昨日とはうってかわってネガティブモード。「なんだかんだ言っても結局は癌だし」ってところに落ち着いたのだろう。でも、ここへきてようやく現実を受け入れ始めたような印象で、ある意味少しだけ安心。ご飯も食べるようになったし、夜も眠れてると思う。
明日あと検査を2つこなして、それでも首から下に癌が見つからなければ、ようやく治療の方針が固まる。やっとかーって感じだけど、実は初めに見てくれた美人の女医さんがいろいろ手を回してくれたのと、たまたま空いてる時間にやって貰えることが多かったので、かなりのスピードで検査が進んでいるみたいだ。同じ病棟にいる患者さんのお母さん(年齢的にはもうおばあちゃん)から話を聞いたら、彼女の息子さんは目がおかしくなってから何ヶ月もいろんな眼科を転々として、ようやく脳外科に行き着いたと思ったら予約がなかなか取れず、検査もいちいち何週間待ち、手術は4ヶ月待ちと言われたとかで(結局便宜をはかって貰ったが)、治療するまでにかなり進行してしまったらしいので。
たぶん、父はラッキーなのだ。