ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

#2

「お父さんの具合が悪い、連絡ください」と母からメールが入る。

この時点ですら、そこまで重大なニュースだとは思っていなかった。だって、多少疲れてるように見えても、基本的には元気な父と会ってきたばっかりだし。「まあ、追々」と思って、バイト終了後帰宅して、とりあえずは家事をゆるゆるとこなしていたら、私からの連絡を待ってしびれを切らした母から電話。いはく、「お父さん、脳に腫瘍がみつかったのよ、みっつも」と。

しかも、まだきちんと検査をせず(CTだけ見た段階で)「これは転移性の癌だ、脳に転移しているということは、もうすでに身体中が癌に侵されてるんだ……」という。二人は、まあ当然だが「もうだめだ」と思って、完全に刹那主義状態。

「どうせ死ぬんだし」っつうノリで、二人は「入院しちゃったらもう二度と飲めない(生きて帰れない)んだから」と浴びるほど酒を飲んでおり、父はタバコも吸い放題(これだけ聞くとすごいdqn父みたいだが、ものっすごい堅い仕事をしてきた人なのですよ……)。とりあえず、何言ってるんだか半分くらいわからない。でも、父の脳みそになんか変なものがあることだけは私にも解った。まあ、解ったけどさ。つい2日前、まあ普通に元気だったんだよ。疲れてるように見えたけど、病気を抱えているような人の顔ではなかったよ。

電話を切った私は、とりあえず「脳腫瘍」でググる。良性の腫瘍という可能性もあるんじゃないか、でも、悪性だったらはっきり言って治すのは難しく、救いがない。ググったところで情報の少ない私に解ったのはその程度のことだった。見解の食い違いなどがあり、こっちはこっちで夫と大喧嘩まで発展。カオスすぎる。

なんにせよ心配には違いない。翌日も病院に行くというので、私も急遽千葉に帰ることに。