ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

(自分用おぼえがき)

母方の祖父母の墓参りに行った。
墓碑に書かれた故人の一覧(?)を見て、以前から不思議に思っていたことがあった。平成13年に亡くなっているヒロシさん(仮)が、どういう関係の人なのかわからないのだ。この墓は先祖代々続いてきたわけではなく私の祖父が先妻と死別した時に建てた墓で、ヒロシさん(仮)以外は私が生まれる前に亡くなっている人でもすべて関係性がわかるだけに、余計に不思議。しかも平成13年ってことは祖父母が亡くなったよりも後に亡くなっているということで、祖父母の葬式にはちゃんと出た記憶もあるのに、私にはヒロシさん(仮)の葬式の記憶はない。つまり呼ばれなかったのだ。母の身内で、同じ墓に入るくらい近い親戚なのに?
もしかしたら聞いてはいけないことなのかしらと一瞬は躊躇したものの、やはり気になるので、母に「ヒロシさん(仮)って誰?」と聞いてみた。答えは簡単で、祖父の先妻の息子だという。
なるほど、祖父と先妻の間に息子がいても全くおかしくない。が、そうなると私にとってヒロシさん(仮)は血の繋がった伯父となるわけで、やはり今まで一度も会ったことがなく、それどころかその存在を知らされたことさえないというのは、どうもおかしい。いくら疎遠になっている親戚でも、せめて葬式ぐらいには呼ばれるんじゃないか。いや、呼ばれないにしても一応身内に葬式があることぐらいは伝わってくるんじゃないか。ますます不思議なヒロシさん(仮)。
納得いかないのでさらに詳しく聞いたら、どうやらヒロシさん(仮)は継母(私の祖母)との関係がうまくいかず絶縁状態だったらしい。一緒に暮らしている人はいたが結婚はせず、平成13年には、どうやら独りになっていた。そうして、病気でいよいよ命が危ないという状態になったとき、初めて肉親(私の母と叔父)のところに連絡がきた、と。今さらそんな伯父がいると知っても私たちも困るだろうから、誰にも言わず母と叔父が二人で葬ったとのことだった。なるほどね。
母は、「実はヒロシさん(仮)は文章を書くのが好きな人で、同人誌なんかに寄稿してたみたい」と、ちょっとだけ言いたくなさそうに付け足した。ほほう、と思った。
祖父は芸術家でもなんでもない普通の老人だったが、私が子供心に「サラリーマンなんて絶対性に合わなかったんだろうなあ」と思ってしまったような自由人という印象の人だったので、私は自分の、普通に生きられないほど不器用ではないけれど普通に生きることに違和感を拭えなかったり、妄想の世界を繰り広げて一人でその世界に入り込むのが好きだったりするところは、祖父の血だろうと以前から思っていた。ヒロシさん(仮)の存在により、やはり祖父の血は若干アウトロー気味なことがわかった。ちなみに私のもう半分は超真人間の父にそっくりなので、私はうまく生きてる……と思う。
このほかにもうひとつ、墓碑に残された情報で気になる点があるのだが、それはまたいつか大人になったら聞こう。(いや、もう大人なんだけど、まだ聞いてはいけない予感のするネタだ。)