ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

#29/癌について

父、退院。病院から介護タクシーにて軽く二世帯住宅っぽく出来上がった弟の新居まで。実家とは同じ区内であるが、市街地への近さが断然違う新しい家では、往診してくれるお医者さんもいるしヘルパーさんも来やすい。弟たちがいつでもすぐに駆けつけられる距離にいるので、私としても少し安心。ここで、(おそらく最後の)介護生活が始まる。
父はもうほとんど寝たきりで、喋ることができなくなってしまった。たぶん声を思ったように発することが難しいのだろう。無声音なら何かしら喋ることもあり、首を振ってイエスノーの意思表示もできる、時には手を使ってオッケーやバイバイもできるので、まだ意思疎通は成り立つけれど(そもそもが割と無口な人なのであまり違和感はない)。顔色や表情から察するに、家にいて家族に囲まれて、完全に同じとはいかないけれど同じ内容の食事を摂ったりできることによる、安心感というか落ち着きを感じる。入院生活から自宅介護に変わることで、食事内容や生活リズムなども変わるのは確かなので、これを機に良くも悪くも病状が変化していくだろうと私は思っている。つうか母の料理はなんでもかんでも油っこいのが心配だ。
ちなみに、寝たままストレッチャーで帰宅したとはいえ、犬にもちゃんとボスが帰ってきたことはわかるようだ。心配そうな顔で様子を窺っていたのが印象的。

あまり話題にしたくなかったけれど、ここのところ緒方拳さんや峰岸徹さんなど著名人が立て続けに癌を原因にこの世を去った。オマケについ最近、私の友人、しかも私よりも若い女の子に癌が発覚してしまった。こんな状況を予見するかのように、2ちゃんに癌・腫瘍板もできたし。なんだかいたたまれない。世の中(というか私の周囲?)が癌づいているような気がして、すごく不安になる。
父は発覚の時点で末期だったのでどうしようもないと思うけれど(というか、今思えば3年ほど前に父は健康診断でひっかかっており、再検査に行けというのに断固として行かなかったことがある)やっぱり早期発見ってすごく大切。部位によって違うと思うけれど、癌って思った以上に痛みや苦しみなどの自覚症状がなく、本人の知らぬ間に勝手に育っていくという感じがする。自分もちゃんと自分の身体を注意深くケアしなければいけないと思うし、周囲の人たちにも気をつけて欲しいと願うばかり。あと、30歳以上はもっと手軽に癌検診を受けられるよう世の中が変わるといい。