ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

#14

父と母、結婚34周年。そのお祝いとバレンタインを兼ねて、トップスのショコラノワールを買って実家へ。珍しく夫も連れていかず、弟たちにも声をかけず、単身で。
先週までの父は良好で、雪が降った日などは、母の運転が危ないからと一人でバスと電車を乗り継いで仕事に行った模様。でも病人生活で体力が落ちているせいか、今度は疲れから体調を崩してしまったらしい。健康体ではないのだから調子が良くても無理すんな、と怒っておいた。
なんにせよ、私が行くと喜んでくれるし、少しだけ酒も飲む。食事のときなど、左手をあまり使わないのが気になる(動かないわけではなさそうなのだが)けど、たぶん本人の意識としても、まあまあ元気なんだと思う。喋りもしっかりしているし、ごはんも相変わらずよく食べる。ショコラノワールもぺろり。私から見たら、著しく良くなっているとは思えないけど、まあ順調に闘病中つーか。
茂原に神の手を持つと言われる有名な脳外科医師がいて、父の病気発覚当初から家族の間でも噂だったが、父の病気を知る人が増えるにつけやはりその先生を勧める人が多いとか。父は義理堅い人で、セカンドオピニオンなんてものは主治医に反旗を翻すようなもんだから嫌だと言うけれど、そういうもんじゃないんだよと説得し、今は治療も落ち着いて時間があって、おまけに茂原なんかすぐ近くなんだから、試しにそっちにも行ってみたら、と勧めた。
問題は母で、彼女は昔からとても思い込みが激しく、ときに現実と妄想の区別がつかない。よく言えば天真爛漫なんだが、私たちに伝わってくる父の病状が、浅い知識にうっすら裏付けられた妄想ばかりで、詳しく突っ込むと医者は全然そんなこと言ってなかったりするので困る。いつもなら「母の言うことは三割くらい聞けばいい」というのが私たちの認識だが、父が病気ともなればそうそう聞き流しもできんのよ。もちろん母が一番大変で、いつも以上に情緒不安定なんだってのはわかってるから、母にはこんなこと言えないけど、自分の言動が私の日常や精神安定までをも壊しているとは思わないんだろうな…と少々ここでは愚痴らせてくれ。
こんなフラストレーションを感じているのは私だけではないようで、普段はとてもおとなしいうちの犬も、やたら怒りっぽかった。ちょっとふざけてゴハンおあずけしただけなのに、ギャンギャン吠えた。かなしい。