ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

#13

twodogs2008-01-26

還暦である。
ただでさえおめでたいことなのだが、昨年12月に転移性脳腫瘍つまり癌が発見されて一時は年を越すのも難しいかもと医者から言われた父の還暦というわけで、これはめでたい。嗚呼しかしこの2ヶ月は私にとっても本当に長かった。体感的には、もう年明けから3ヶ月ぐらい経っている気がする。毎日がバタバタと過ぎていくのに、ちっとも時間が進まないんだ。
さて。先週までに全四回のガンマナイフ治療が終了し、日常生活の質が多少は向上した父。腫瘍が少し小さくなったらしく、おかげで視界も少し広がった様子で、完全にとは言えないまでも職場復帰だって果たした。薬の副作用で顔がパンパンに浮腫んでいるのをすごく気にしていたけれど、正月に会ったときと比べても血色良く精神状態もかなり安定しているようだ。
この日の予定、本当は病気が発覚する前に「還暦祝いには家族みんなで温泉にでも」と計画を立てていたのだが、さすがにそれは難しいということで、お食事会&麻雀大会in実家に変更となってしまった。まあ仕方ないので、せめて気分を盛り上げようと、あらかじめ楽天で買っておいた[rakuten:itsuki:838501:title]を持っていったら、照れながらも非常に喜んでくれたので良かった。
地元の仕出し屋さんから届いたお食事などを頂きつつ、軽く飲み。父も日本酒を1合ほど。んで早めに麻雀大会スタート。父、夫、弟1、弟2の4人で始め、のちに弟嫁や私など入れ替わり立ち替わりみんなで楽しむ(ちなみに私は麻雀ってあんまりやったことない上にそんなに興味もないのだが、大人のたしなみとして覚えなければいけないと勉強中)。実は年末にも家族麻雀をやったのだが、そのときと比べて父の動きが格段に良くなっていた。年末は指先もおぼつかず牌を積むのもゆっくりだった父が、ちゃっちゃと仕切っているではないか。なんか痴呆っぽくぼんやりしていた感じも抜け、頭もはたらくようだ。父の症状改善を最も感じた瞬間であった。しかも熱くなると止まらないのは我が家の血なのか、結局午前3時までの長丁場となった。誰か止めてくれる人はいないのか。父こそが、途中で抜けてウトウトしたりもしていたけれど、むしろ率先して徹マンしようとしていたからなー。元気なのは良いが、無理はしないでほしい……。
しかし帰り、母が車で駅まで送ってくれた際、医者に言われたことを聞かされる。今はとりあえずガンマナイフ効果で癌が小さくなっていて、この状態は半年くらいは確実に続くけれど、その後、一気に増殖するかもしれない(ガンマナイフを担当した先生の話によると、増殖する可能性は20%くらい)。そうしたら、一気に厳しい状況になる可能性があるということ。ひょっとしたら次の年越しは無理かも、とまで言われたらしい。
うーん。私はさ、そっちの覚悟も一応できてる、けど、諦めるつもりもないよ。増殖する可能性が20%ってことは、増殖しない可能性は80%だ。そう考えてみたら、随分いいじゃんね。もちろん脳天気に構えすぎてはいけないと思うけれど、後が短いとすればなおさら悲劇的な毎日なんか送ってほしくないんだよ。
がんばれ父。