ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

「しむ」という使役の意味を持つ助詞について考えさせられた。
少なくとも辞書を見る限り、この語そのものには、「〜させる」というシンプルな意味しかない、はず。けれど、この2文字に「〜させるほど良い」とか「〜させるほど悪い」とかいう意味を省略して使っている人って、割と多いのかもしれない。しかも、今日見た文章では、使役の対象まで省略されていたので、ますます奇妙に感じた。つまり、

○○技法は万人に「さすが」と言わしめるほどすばらしい技である。
   ↓
○○技法は「さすが」と言わしめる。

という感じ。
読んでいる分には、前後の文脈でそれが良い意味なのか悪い意味なのか、また「言う」という動作の主体は誰なのかを、推測することはできるんだけど。ただ、尻切れトンボっぽいというか、ものすごく文章として中途半端な感じがして、とても気持ち悪い。
ここまで書いてみて思ったけど、これは別に「しむ」という助詞に限らず、省略の限界についての話なのかもしれん。
ともかく、私が「気持ち悪い」と思うかどうかのラインと、大半の人が自然と受け入れるか違和感を感じるかというラインと、文法的に正しいか間違っているかというラインは、それぞれにまったく別次元の話なので、そんなことで一時間くらい普通に考え込んでしまう、そんな癖をまず第一に治したいと思うよ、ほんと。