ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

蹴りたい背中/綿矢りさ

読んだー。結局これもだなあ。ものすごく王道な恋愛系の青春小説に、キモヲタっていう今ふうの要素をブレンドした感じ。愛情をうまく扱えないゆえの「蹴りたい」っていう衝動ってことじゃないかなあ。契機だから仕方ないけど、いっそ教室の人間関係とか関係ないと言っても良いような気がする。青少年にありがちなものすごい自意識小説ってところで落ち着いてしまうー。
確かに上手にはなったような気がするけれど、これだったら、私はインストールのほうが面白かったかも。登場人物のキャラがもっと魅力的だったように思うし、いかにも新鮮な感じがした。まあ好みの問題ではあるけれど。
結局、文学で描かれる文化背景っていうのはいまだ90年代的カラーを引きずってしまっているんだなあと、ひしひしと。著者の若さが話題性として全面に押し出された状態で読んでしまったために、私はもっともっと新しいものをと無意識のうちに期待してしまっていたのかもしれない。そんな意味で、「ふつうに面白かった」。