ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

ヴァイブレーター/赤坂真理

メンヘル系ノベルですねー。というか、高橋源一郎の解説が一番面白かったです。それでも買いかぶり過ぎに見えるけど。確かに言語学的(か? あるいは文学史的なのかなあ。学問のカテゴリーはよくわからん)に読めば、とても面白い作品なのかもしれない。村上龍かなんかの小説の中で、瞼を閉じた時に見える映像を創る人ってのが出てきた(と思うが、どの作品かは忘れてしまった。有名な作品だったと思うんだけどー……ほんとアルツだ!)けど、そういうのを小説でやろうとすると、こうなるんだろうなーと思った。
でも、おそらくこの作品に共感し同調しうるのは、そういうことを考えないたぐいの人たちではないかと思うので、そういう歪み、みたいなのが気持ち悪かった。「この小説には私のことが書かれてる!」と思っちゃう人が沢山いるのは当たり前で、だってそれはおそらく誰の頭の中にも少なからずあるんだけど、誰もそんなことを表だって人に見せたりしないから、自分だけが特別にそういうことを考えてると思ってる。気持ち悪い。
あ、でも無線で会話するくだりとかはすごく面白かった。「」(直接話法)の話とか(高橋源一郎さんもそこを指摘してたけど)。そういう辺りを見ると、やっぱり言語学的(やっぱふつうに「文学的」にしておいたほうがいいかも……)に価値ありそう? な? わからないけど。