ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

文学フリマレポ(ともつかない何か)は20日付で書いたが、これはその裏で起きていた私の個人的な出来事のレポである。
実は今回の上京には文学フリマのほかにふたつみっつの目的があったのだが、その最後のイベントが友人の赤子さんを見に行くことであった。その友人は私の高校時代のバンド仲間。バンド仲間なんていうとロック少女みたいなイメージだが彼女はバンドではドラムを叩きながらオーケストラ部でパーカッショニストとして活躍、大学に入ってからはなんかジャズっぽいサークルにも入っていたという幅広いプレーヤー。また、彼女のだんなさんも大学のサークルで知り合ったドラマー兼パーカッショニスト。完璧なリズム隊夫婦だ。生まれた赤子さんは音楽を想起する名前に決定し、さぞかしリズム感にも恵まれていることだろう。
というわけで、そんな二人の子供だからこそ与えたいものをと私が選んだお祝いの品は、ミニボン*1。これしかないとものすごい勢いで通販にて入手、それを実家に届けさせ、文学フリマ当日はほかの荷物と一緒に張り切ってそれを持っていった(フリマ→ホテル泊→翌日友人宅→羽田から帰札という予定だったので)。フリマ開催中はとりあえずほかの荷物と一緒にブース机の下に保管。特に問題もなく1日が過ぎようとしていた。
しかし文学フリマ終了後、いったんホテルに荷物を引き上げてチェックインし、フリマ会場近くまで戻って打ち上げを始めようとしていたとき。飲み物を頼んで乾杯待ちの瞬間。なんで突然思い出したのかはわからないが、私はミニボンゴが入っているはずの紙袋を自分がホテルに持っていかなかったことにふと気づいた。ほかの荷物の中に入れた記憶もなく、人に持たせた記憶も、なし……?
「えっと……会場ってやっぱり、もう閉めちゃってるよね」「それより事務局に電話してみたら?」「パンフパンフ」「電話番号なんか載ってない!」「ぎゃあああ、すまん、とにかく会場まで行ってくる!」「きっと忘れものがあれば管理人室にある!」と、打ち上げに参加してくださった全員を巻き込んでの騒動に。幹事でありながら場を白けさせた上に乾杯も待たずに中座とはどういうことだ。でも、わざわざ通販で買ったほど、なかなか置いてある店が見つからなかったキッズボンゴ。こんなところでなくすわけには行かない、なんとしても取り戻さねばと、文学フリマの会場にダッシュ
会場前に到着すると、なんと文フリ事務局の皆さんが今まさに会場から去ろうとしていた瞬間だった。その手には、いかにももてあまされてそうな私の紙袋発見。あったああああ、というわけで「そ、それ私の……っ」と少女漫画の台詞ばりのタメを効かせて声をかけ、なんとか取り戻した次第。ダッシュしてよかったダッシュじゃなかったら間に合わなかったダッシュありがとう。ああもう本当に事務局の皆さん、ご迷惑をおかけしました。捨てずにいてくれてありがとうございました。このご恩は一生忘れません。
しかし実はあの後、私はそれを打ち上げ会場に置いていきそうになり、二次会の時まで全く忘れて店を出ようとするなど学習能力のない姿を晒し、ますます多くの方に迷惑をかけた、というかもはやあきれてものも言えないような状態にさせてしまい、本当に反省している。翌日、赤子さんに無事ミニボンゴを届けたときは感動した。
もしもその赤子さんが将来パーカッショニストになったら、彼が初めて触れた打楽器はこれだけ多くの人が関わってあなたのもとに届けられたのだと教えてあげたい(と、良いお話に見せかけて実は自分のアホさをも教えなければいけないので、あまり良くない)。