ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

長文

ロッテが千葉に誘致されたときのことを、覚えている。
まあ、中学生だったから記憶がおぼろげというほどは幼くない、という感じなのだが。はっきりいって当時の私は別に野球なんかにゃまったくもって興味のない女子中学生だったわけで、「ださっ」とか思った印象ぐらいしかない。
そして十うん年後。北海道に移住した私は、またしても住んでいる土地に球団誘致という経験をしてしまうのだけれど、こちらの盛り上がりようにはびっくりした。私はいちおう野球観戦ぐらいは社交としてたしなむ大人になっていたけれど、しかも在京時代は文京区にこだわり東京ドームのすぐ近くに住んでいたこともあるけれど、当時は完全に「日ハムなんて」と鼻で笑っていたのだ。そのチームが誘致されるごときでこれだけ喜んでしまう北海道。はっきりいって自分はこの土地になじめそうにない……と思ったのもつかの間、パ・リーグ流行とかなんやかやいろいろあって、今や私はすっかりファイターズファンである(割と北海道にもなじんだ)。
こうなってみて初めて、なんだかマリーンズに申し訳ないことをしたと私は思い始めた。千葉に来たとき、もっと地域をあげて歓迎してあげるべきだったのではないか、と。あの頃は私が野球に興味のない女子中学生だったからだけではなく、周りの反応も割としれっとしたものだったように思う。盛り上がっていたのは本当に一部だけで、たとえば当時数学を担当していた馬ヅラの教師が早速ファンクラブ入ったとかほざいていたのぐらいしか記憶にない。
まあつまりあれだ、マリーンズ優勝の瞬間を喜ぶ千葉の人々をテレビで観て、ああ私の知らないうちにマリーンズは千葉に浸透していたんだなあと、なんだかしんみりしてしまった、という話。野球ファンじゃなくても充分に解る「気持ちのいい勝ち方」だったけどね。たとえばもし私が親に勧められたとおりに千葉の大学に通って千葉の公務員とかになってまだ千葉に住んでたら、私もあんなふうに喜んだのかなあと想像したり。私が千葉を出て、もう8年かー。
というわけでほのかな郷愁を感じつつ、ロッテ日本一おめでとう。