ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

蛇にピアス/金原ひとみ

読んだー。ふつうに面白かった。
スプリットタンという割と衝撃な切り口から、セックスやSMや暴力、犯罪、あげくアルコール依存や拒食症まで、いわゆるアレ的な要素(なにそれ)満載で話題になってるのかと思ったけれど、蓋を開けてみればものすごい純粋なラブストーリーだった。10代という、人の愛し方をよく解らない段階での少女の投げやりな多感さがすごくよく描けていると思う。結局ルイが舌に穴を開けたのは、初めて会った時からどうしようもなくアマに惹かれていたからであり、でもそういうものへの興味と自分の中にある愛情の区別が上手く出来ず、迷走、という感じだよね(って誰かに頷いてほしい。違うかなあ。でもこれが一読した印象です)。上手いかどうかというとよく解らないけれど、すごく勢いよく世界に引き込まれたし、読んでいて共感はしないけれど気持ちいい部分も多かった。すばる文学賞っぽい作品だとも思った。
デビュー作がそのまま芥川賞になってしまったということで、この人の場合、第二作や第三作ではなく10年後くらいが勝負なんじゃないかと思ったりしたりした。