ベロニカ学習帳。

文京なんちゃらのなれの果て

ビタミンF/重松清

やっと終わりまで読めた。
本当に等身大の、身近にいそうな、あるいは10年後くらいに自分がなっているかもしれない「家族」という姿を描いた短編集。無理に良い小説を書こうとしない姿勢がすごく好き。ありふれた風景かもしれないけれど、だからこそ、この時代にこの年代で生きている人にしか書けないエッセンスがたくさんあって、羨ましい。
今読んでも良いけれど、むしろもうすこし未来に、80年代〜90年代に生まれた人たちが30を超えたくらいに読んだらきっと新しい価値が生まれると思う。そういう意味で、この作品を埋もれさせずに直木賞を与えた文壇もえらい。とか言ってる私は何者。